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腰の痛み
通院されている患者様の中で、腰痛は特に多く見られる症状の一つです。腰痛は筋肉や骨、神経の問題だけでなく、ストレスや不安、うつなどの精神的な問題や、内臓の病気によっても引き起こされます。生活習慣の乱れや身体に無理を続けることが腰痛を悪化させることがあるため、早めに相談することをご提案します。
腰部脊柱管狭窄症
脊柱管は背骨にあるトンネル状の管です。中には神経が通っていて、周囲を背骨、椎間板、椎間関節、後縦靭帯、黄色靱帯などに囲まれています。加齢で背骨の変形、椎間板が膨らむ、黄色靭帯が肥厚するなどの原因で脊柱管狭窄を起こします。それによって脊柱管の中を走る神経が圧迫され神経が障害を受けたり、神経への血流が低下したりすることにより症状が出現した状態が脊柱管狭窄症です。脊柱管の狭窄によって中の神経が圧迫され、その刺激で痛みや痺れを起こします。
椎間板ヘルニアは若い方の発症も多いのですが、脊柱管狭窄症は加齢によって生じることが多く、中高年の発症が多い傾向があります。
症状
主な症状は歩行障害です。脊柱管狭窄症の特徴的な症状には、間欠性跛行があります。これは、ある程度の距離を歩くと大腿や膝下に痛みや痺れが起こってそれ以上歩けなくなり、しばらく休むと再び歩くことができるという症状です。背筋を伸ばして立ったり歩いたりすると痛みや痺れを起こしやすく、前屈みになると緩和し、座って休むと症状が軽減します。背筋を伸ばしたり後ろに反ったりすることで脊柱管が狭くなり、前屈みになると広がるため、こうした症状が現れます。また背骨に不安定性を生じた場合など腰痛の原因となることもあります。
進行すると筋力低下、排尿困難や尿漏れ、排便障害などを起こすこともあります。
治療
保存療法と手術療法があります。保存療法では、リハビリ、コルセット、神経ブロック注射、そして脊髄神経の血行を改善する薬の処方などを行います。こうした保存療法で症状が改善できる場合が多くを占めます。
しかし、歩行障害、腰痛、下肢痛、筋力低下や排尿排便障害によって日常生活に支障が及んでいるケースでは手術療法を検討します。内視鏡などを使用した手術や、低侵襲での脊椎固定手術なども登場しており、専門医療機関を紹介いたしております。当院では手術後のリハビリ、フォローを行います。
腰椎椎間板ヘルニア
背骨は、椎骨という骨が縦に積まれている状態ですが、椎骨の間には骨同士がぶつからないようにするクッションがあります。このクッションが椎間板です。なんらかの原因で椎間板が変性して飛び出し、周辺の神経を刺激して痛みなどの症状を起こすのが椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアは左右どちらかの足に痛みや痺れを起こします。椎間板が飛び出る程度が大きいと脚の麻痺、尿失禁などの排尿障害を生じることがあります。
椎間板ヘルニアの原因
椎間板が飛び出す主な原因には、スポーツや事故などの衝撃、重いものを持ち上げるなどの習慣的な負荷、加齢、遺伝などがあり、喫煙も発症リスクになります。衝撃によって発症するのはアスリートなど若い方が中心です。また椎間板は加齢によって水分を失って弾力性が低下し、変性しやすくなるため、中高年の発症も多くなっています。
検査・診断
問診や触診をして、X線検査やMRI検査を行います。画像診断によって、椎間板や神経の状態を詳細に確認し、椎骨骨折や腫瘍などとの鑑別をした上で、診断します。
当院の治療
薬物療法、物理療法、運動療法などの保存的療法で症状の軽減と状態の改善を図ります。ただし、歩行や排尿に障害をともなうなど、症状で日常生活に支障が及ぶ場合には手術が必要です。当院では、手術が必要と判断した際には、専門の医療機関にご紹介しております。お困りの方はお気軽にご相談ください。
- 保存的治療
炎症や痛みを抑える薬を症状に合わせて用います。また、仙骨硬膜外ブロックや神経根ブロック等も非常に有効です。
動きを制限することで痛みを緩和できる場合には、コルセットなどの装具を用いることもあります。 - 手術
変性を起こした椎間板を除去する手術で、一般的には後方椎間板切除術を用いて行われます。内視鏡を使った侵襲の少なく早い回復が見込める手術や、顕微鏡を使うことでより丁寧な手術を行うこともあります。
腰椎圧迫骨折
腰椎に外部から圧力がかかり、椎体がつぶれてしまう状態です。腰に強い痛み、下肢に痛みやしびれ、麻痺などが生じる場合があります。症状がヘルニアに似ることもあり、高齢者や女性に多い骨折です。椎体の変形によって背中が曲がったり、身長が縮んだりすることもあります。また、椎体が過度につぶれると神経が圧迫され、筋力が低下して歩行が困難になることもあります。
首の痛み・肩こり
首には脳と全身をつなぐ重要な神経が通っているため、首の痛みやこりは放置すると神経にも悪影響を及ぼす可能性があります。日頃から注意し、少しでも違和感を抱く場合、気兼ねなくご相談ください。
首の痛みやこりの原因としては、筋力の低下、血流の悪化、悪い姿勢などが考えられます。首の痛みやこりが続くと、以下のような症状や病気が考えられます。
肩こり
肩こりとは「首から肩、肩甲骨にかけての筋肉の緊張感を中心とする不快感、こり感、重苦しさ、鈍痛」と定義されます。自覚症状のなかでは、男性では腰痛についで第2位、女性では第1位の症状となっています。人類が二本足の直立歩行へと変化したことで、重く大きな頭を頸椎で支えるだけでなく、体重の約8%ある上肢を筋肉によりぶら下げることになり、頸椎には絶えず負荷が加わるようになったのです。さらに、文明社会の進歩が、ストレスの増大、単調労働による局所疲労の蓄積、運動不足を生じさせ、肩こり・首こりなどで悩む人が多い原因となっているのです。
頸肩腕症候群は、首から肩、上肢、背部にかけての痛みやしびれ感、脱力、冷感などを呈する状態です。自律神経障害として、めまい、耳鳴り、眼精疲労等を伴うこともあります。肩こりの症状がより拡大し、複雑化したような病態です。
検査
肩こりの検査は特別に存在しません。ただし、頸椎バランスのチェック、頸椎疾患を区別するためにレントゲンチェックを行うことが一般的です。肩こりの方はストレートネックであることが多いです。顔が下を向くような姿勢や猫背で長時間いることによって筋肉の緊張バランスが崩れ、頸椎のバランスに変調をきたします。頸椎は本来前方凸のカーブをしていますが、ストレートネックとはこのカーブが失われている状態です。カーブが失われていること自体も、肩こりの原因にもなりえます。
治療
- 薬
疼痛に対しては、消炎鎮痛剤の経口剤や外用剤を用います。また、筋肉の過緊張に対しては、筋弛緩剤や漢方薬を用います。 - トリガーポイント注射
トリガーポイントとは筋肉が部分的に凝り固まったところ、痛み神経が集中しているところ、とされており、強く押すと痛みがでます。トリガーポイント注射は、そのポイントに局所麻酔薬を注射して痛みをやわらげる方法です。 - リハビリテーション
前述のように、悪い姿勢や慢性疲労など、好ましくない生活(仕事)環境が原因となる一種の「生活習慣病」と言えます。リハビリテーションでは、このような姿勢や環境に対する指導・修正をはじめ、徒手療法、セルフエクササイズの指導などを行います。
徒手療法では、筋肉や関節系などへの治療アプローチをそれぞれ行います。筋膜リリース(筋膜の癒着を引き剥がしたりすることで正常な状態に戻す治療)、マニピュレーション(組織に伸ばす力を加える治療)、モビライゼーション(さまざまな方法で反復的に動かす治療)等です。
セルフエクササイズはストレッチングや筋力強化が主体となります。緊張し短く硬くなっている筋肉にはストレッチングを、伸びきって筋力が弱まっている筋肉には強化を行います。 - 物理療法
頸椎牽引、温熱療法、低周波治療などがあります。局所の循環や代謝の亢進により、痛み物質の排除が期待できます。また、筋肉の緊張をやわらげる効果や、組織の柔軟性改善が期待できます。
頸椎椎間板ヘルニア
ヘルニアとは、体内の臓器などが、本来あるべき部分から脱出した状態を言います。
一般的に多いヘルニアは、鼠径ヘルニア(脱腸)、臍ヘルニア(でべそ)、椎間板ヘルニアなどです。
椎間板は背骨をつなぎ、クッションの役目をしている軟骨です。椎間板が加齢などにより変性したり、悪い姿勢で仕事をしたり、スポーツなどが誘因になり、椎間板の一部が出てきて神経を圧迫し症状が出ます。
症状
頸や肩甲部、上肢に痛みやしびれが放散したり、箸が使いづらくなったり、ボタンがかけづらくなったりします。まれに歩行障害や排尿障害が出ることもあります。
診断
診察所見やレントゲン検査にて椎間板ヘルニアを疑った時にはMRI検査にて確定診断します。
治療
治療は痛みが強い場合には、局所を安静にして鎮痛剤などを使用します。神経ブロックやリハビリテーションでの物理療法を併用することもあります。痛みの経過を見ながらリハビリテーションでの運動療法を行っていきます。
これら保存治療でも改善しない場合や上下肢の筋力低下、歩行障害、排尿障害などの麻痺症状がある場合は手術療法が必要になることがあります。
肩の痛み
肩関節周囲炎
肩の動きが悪くなり、痛みを感じることがあります。痛みは動かしたときだけでなく、寝ているときにも生じることがあります。肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は中年以降に多く見られ、原因は肩や軟骨、靭帯、腱の老化によるものです。これにより、肩関節周囲の組織に炎症が起こります。肩峰下滑液包や関節包が癒着すると、関節の動きがさらに悪化します。
石灰沈着性肩関節炎
夜間や寝ているときに、突然肩に激しい痛みが走ることがあります。痛みの強さや続く期間はさまざまで、急性型(強い症状が1~4週間)、亜急性型(中程度の症状が1~6カ月)、慢性型(動作時の痛みが6カ月以上)の3つに分類されます。加齢による肩腱板の変性やホルモンの影響で、リン酸カルシウム結晶が肩に沈着し、炎症が起こることが原因です。特に40~50歳代の女性に多く発症します。
膝の痛み
膝や足の痛みは、歩行能力の低下につながり、日常生活に大きな支障をもたらします。痛みの原因は、筋肉の炎症や骨・靭帯の損傷、骨格の歪みなどさまざまです。歩行や階段の昇降が苦痛となり、外出をためらうようになることもあるでしょう。痛みを放置すると、症状が悪化する恐れがありますので、違和感や痛みを感じたら、早めにご相談ください。
変形性膝関節症
代表的な症状は膝の痛みです。初期には動作開始時に痛みがあり、中期には階段の昇降や正座が困難になります。さらに悪化すると、安静にしていても痛みが取れず、歩行が難しくなってしまうことも。老化や肥満によって膝の軟骨が擦り減ったり、関節が変形したりすることが原因です。また、骨折や靭帯・半月板の損傷、化膿性関節炎の後遺症がきっかけで発症することもあります。この症状は、特に60歳以上の男性や50歳以上の女性に多く見られます。
股関節の痛み
股関節を痛めると、「歩く」「立ち上がる」といった日常的な動作がつらくなり、生活に支障をきたすことが多くなります。こうした悩みを抱える方は少なくありません。当院では、X線検査やMRI、CT撮影などを用いて原因を特定し、患者様一人ひとりの症状に合わせた治療を提供しています。
変形性股関節症
変形性股関節症は、関節の軟骨がすり減り、股関節が徐々に壊れて変形していく病気です。股関節の病気や外傷が原因で、関節が痛んだり、動かしにくくなったりすることがあります。病気が進むと、歩くのが難しくなり、日常生活に影響が出ることがあります。変形した関節を元に戻すのは難しく、変形が進行すると保存的な治療では限界が生じることが多いです。その場合、骨切り術や人工関節置換術などの手術が必要となります。
骨粗しょう症
骨粗しょう症は、骨折しやすくなる病気のことです。骨には、カルシウムなどのミネラルが含まれているのですが、その量のことを骨量と言います。骨量が何らかの原因によって減少すると骨の中というのはスカスカの状態になって、折れやすくなってしまいます。
主な症状としては、骨量が減少していくことによる自覚症状というのはありません。主に、転んで手をつく、くしゃみをするといったことで骨折をして発症に気づくことが多いです。ちなみに、骨粗しょう症によって、骨折しやすくなる部位は、手首の骨、脊椎(体の重さに耐えられなくなって生じる圧迫骨折)、太ももの付け根の骨、肋骨、骨盤などです。
発症の原因としては、加齢や閉経、もしくは無理なダイエットによる栄養不足などによって引き起こされる原発性骨粗しょう症と、特定の病気や薬剤の使用が契機となって発症する続発性骨粗しょう症の2種類に分類されます。
なお、骨粗しょう症の患者様の多くは高齢女性です。女性は閉経を迎えると女性ホルモン(エストロゲン)が減少するようになります。元来、骨は常に新陳代謝を繰り返します。具体的には、破骨細胞により古くなった骨は壊され、骨芽細胞により骨を修復し、新たな骨を作るというサイクルを続けていきます。ただし、エストロゲンが閉経により、減少すると破骨細胞のスピードに骨芽細胞が追い付かなくなり、骨量が減少し、骨が折れやすくなります。このことから、高齢女性の患者様が圧倒的に多いということがわかります。
検査について
診断をつけるための検査はいくつかありますが、よく行われるのが骨密度検査です。骨密度とは単位面積あたりの骨量を言います。同検査の種類はいくつかありますが、一般的に行われ信頼度の高い検査はDEXA法です。これは二種類のX線を照射するもので、骨密度を測定する部位の多くは、腰椎と大腿骨近位部になります。診断方法に関しては、若年成人の骨密度の平均値(YAM値)の70%以下という数値が確認されると骨粗しょう症と診断されます(脆弱性骨折がない場合)。
加えて、脊椎の圧迫骨折の有無を調べるための単純X線撮影(レントゲン)、採血検査および尿検査による骨代謝マーカーの測定、何か別の病気に罹患してないかを調べる血液検査などを実施することもあります。
治療について
治療の目的は、骨折をしないようにすることです。そのために、まず骨を丈夫にするために生活習慣を改善していきます。食事面では、骨形成を促進させるカルシウムや、カルシウムを骨に定着させる働きがあるとされるビタミンD、Kを多く含む食品を積極的に摂るようにします。タンパク質の摂取や、偏りのない食事の摂取は重要です。
さらに、骨は適度な負荷をかけると丈夫になるので、日常生活に取り入れていきます。具体的には、ウォーキングや軽度なジョギング、サイクリング、スイミングなどの有酸素運動ですが、無理をしない程度の運動量で継続的に行うようにしてください。また、転倒防止のために筋力をつける、体幹を鍛えるといったことも重要です。運動に関しては、始める前に一度医師に相談されるようにしてください。
加えて、骨粗しょう症と診断された患者様は、上記と併行して薬物療法も行っていきます。この場合、破骨細胞の活動を抑える効果がある骨吸収抑制薬(ビスホスホネート製剤、SERM、デノスマブ等)、骨形成を促進させる注射(PTH製剤、ロモソズマブ等)なども用いられます。 当院では、ある程度進行した骨粗しょう症患者様に対し、内服薬より高い治療効果が期待される注射剤の治療を勧めております。
二次性骨折予防
大腿骨頸部骨折や大腿骨転子部骨折にて手術を受けた方や、脊椎椎体骨折(圧迫骨折)を経験された方は、その後も骨粗しょう症の治療が必要になります。
当院では、「二次性骨折予防継続管理料3」を取得している医療機関です。
近隣の医療機関と連携を密にし、患者様の骨粗しょう症治療のサポートを継続いたします。
子どものスポーツ障害
当院では、スポーツに伴う外傷や障害を予防し、医師の視点から外傷や障害を未然に防ぐアドバイスも行っています。
お子様が元気にスポーツを続けられるよう、私たちがしっかりとサポートします。スポーツをしているお子様をお持ちの方は、一度ご相談ください。
肉離れ
原因
肉離れは、筋肉に急激な負担がかかることで起こります。
瞬間的に強い負荷が筋肉にかかると、それに筋肉が対応できず、一部切れてしまうことがあります。
また、筋肉疲労の時や運動不足などで弱っている時では、激しい運動ではない日常のちょっとした動作で起きてしまうことがあります。
発生部位(よく起こる場所)
- 大腿四頭筋(ふとももの前面の筋肉)
ふとももの前側の筋肉です。
膝を伸ばすときに使うので、サッカーでシュートする際などに損傷することがあります。 - ハムストリングス(ふとももの後面の筋肉)
ふとももの後ろ側の筋肉で、ダッシュするときなどに使われます。
短距離走など、一気に力を入れるとき、耐え切れずに損傷してしまう場合が多いです。 - 腓腹筋(ふくらはぎ)
ふくらはぎの肉離れは「テニスレッグ」などと言われ、身体を切り返すような動きで損傷することが多いです。
診断方法
痛みのある部位を観察し、腫れや皮下出血の有無を確認します。
レントゲン検査を施行し骨折の有無をチェックし、エコー(超音波)検査を使用し筋肉の断裂や血種などを確認します。
応急処置について
肉離れを起こしたとき、クリニックを受診するまでの応急処置を紹介します。
患部を適度に冷やす
肉離れを起こしてしまったら、すぐに患部を冷やしてあげましょう。
濡らしたタオルで結構ですので、アイシングします。
ここで注意するのは冷やし過ぎないことです。
アイシングは皮下出血を抑えてくれますが、あまり冷やしてしまうと、回復に必要な血行を悪くする場合があります。
足を上げ、負担をかけない
受診ではとにかく患部に負担をかけないようにしましょう。
歩くのはできれば避け、どうしてもという場合には、痛みのある側には体重をあまりかけないように歩きましょう。
また安静にしているときには、足を心臓よりも高い位置にあげておくことで、腫れを軽減させることができます。
治療
RICE処置
基本はRICE処置を行います。
- Rest:患部の安静を保ちましょう。
- Icing:患部を冷やしましょう。
- Compression:サポーターや包帯を用いて圧迫しましょう。Elevation:患肢の挙上、患部を上げましょう。
肉離れは筋肉の損傷ですから、安静にして回復を待ちましょう。
注意点
安静は以下の点に注意しましょう。
- 患部を温めない
- 飲酒しない
- 運動、スポーツは避ける
血行を良くして肉離れによる内出血を助長してしまうため、患部の温めやお酒を飲むことは控えましょう。
またちょっと動かせるようになっても、筋肉はまだ傷ついたままであることが多いので、運動も避けるようにしましょう。
リハビリテーション
ある程度痛みや腫れがとれて来たら、安静にしている間に弱ってしまった筋力を強化するなどのリハビリテーションを行います。
スポーツをされている方は、軽いストレッチから筋力トレーニングへと移行し復帰を目指します。
当クリニックでは理学療法士(PT)によるリハビリテーションを行っています。
肉離れは再発の多い病気です。少し痛みが引いたからといって油断は禁物です。
肉離れを起こしてしまった時は、上記の応急処置を参考にしながら、我慢せず整形外科を早めに受診しましょう。
一緒に治療し、早く日常生活に復帰できるよう、お手伝いさせていただきます。
シンスプリント
症状
シンスプリントの症状は、脛(すね)の内側に徐々に痛みが現れ、運動をする際の痛みや腫れなどが主な症状となります。適度な休憩により痛みが減少する傾向があります。
また、シンスプリントの症状の進行は、以下のように段階的に分類されます。
第1段階 痛みはありますが、ウォームアップをすることで軽減します。
第2段階 ウォームアップで痛みは軽減しますが、運動後に再び痛みが現れます。
第3段階 運動中は常に痛みを感じますが、日常生活に支障はありません。
第4段階 常に痛みを感じ、日常生活にも支障をきたすようになります。
シンスプリントの痛みの部位は、運動時にふくらはぎの下方1/3程度の範囲に見られます。
初期の段階では、ほんの少し違和感を覚える程度ですが、進行すると何もしていない状態でも痛みが現れ、走行が困難になるほど痛みが強まることもあります。
また、シンスプリントと疲労骨折は痛みの発生箇所が似ており、明確に区別することが難しいです。そのため症状が現れた場合は、早期に医療機関を受診し、専門家に診てもらうことをおすすめします。
原因
シンスプリントの原因はさまざまで、代表的なものとして以下のような原因が考えられます。
- 過度の運動量(運動時間・運動内容)
- 硬いグランドや地面での練習
- 足底の薄いシューズの使用
- 下肢の形態異常(回内足、O脚、扁平足など)
- 足関節の柔軟性の低下や下肢の筋力不足
などが発生要因となります。
特に、部活動の新入部員などは、急激な運動量の増加がシンスプリントの発生につながります。
具体的にシンスプリントを発症しやすいスポーツとして、ランニング(長距離走やスプリントなど)・バスケットボール・サッカー・テニスなどが挙げられます。
上記のスポーツは一部の例であり、他のスポーツでもシンスプリントが発生する可能性があります。シンスプリントを予防するためには、適切なウォーミングアップ、クッション性のある適切な靴の選択、正しいフォームと技術の習得、適度な休息と回復が重要です。
治療
- 保存療法
シンスプリントは疲労骨折の初期症状と似ているため、レントゲン検査や超音波画像診断、MRI検査などといった方法を用いて、両者を区別することが治療における最初の一歩です。
シンスプリントと診断した場合、まずは運動制限することから始めます。
痛みが強い場合は安静が基本です。炎症を抑えるためにアイシングや湿布、内服を症状に応じて使用します。
また、同時にリハビリを行い、下肢のストレッチや原因となった下肢の問題点の改善をしていきます。
痛みに応じて徐々に運動を取り入れ、競技復帰を目指します。 - リハビリテーション
痛みが強い段階では、炎症を抑えるために電気療法や超音波治療などといった物理療法を組み合わせながら実施します。
痛みが起きた原因を探り、再発しないためにリハビリを行います。
特に下肢後面の硬さ(柔軟性の低下)や足指の機能不全、扁平足などの形態異常などを評価し、ひとりひとりに合ったアプローチを行います。必要に応じてテーピングなどを用いて、患部の負担を軽減することを目指します。 - 薬物療法
炎症がある場合は、非ステロイド性の消炎鎮痛剤や湿布をすることで炎症を抑えます。ただし、飲み薬は副作用が出る場合があるため注意が必要です。 - 装具療法
子どもから大人まで、その方に合わせたインソールを作成します。インソールの使用によって、足底部のアーチ形態が機能するように改善します。また、疼痛が強い場合、足底部の衝撃を減らすような工夫を行います。
オスグッド病
オスグッド病は、膝の皿の下にある脛骨結節という部分が徐々に突出し、痛みを引き起こす疾患です。主に小中学生に多く見られ、腫れや熱を伴うこともあります。安静にしていると痛みが軽減することが多いですが、スポーツを再開すると痛みが再発することがあります。
肘や手首や手指の痛み
手や指は毎日頻繁に使用されるため、負担がかかりやすい部分です。家事やパソコン・スマホの操作、スポーツなどで細かく使うと痛みが生じることがあります。疲労や加齢も影響するため、適度な休息が重要です。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
テニス肘は、肘の外側に痛みが生じる病気です。テニスやゴルフなどで肘を酷使すると、炎症や部分的な断裂を引き起こすことがあります。この病気は肘の使い過ぎによって発症し、症状に応じて休息や治療が必要です。
変形性肘関節症
変形性肘関節症は、肘を動かすと痛みが生じたり、肘が固まって動かしにくくなったりするのが特徴です。進行すると、肘の内側を通る神経が圧迫され、手指に麻痺や動きの悪さが現れることがあります。主な原因は肘の酷使、関節炎、肘の外傷です。関節の軟骨がすり減ると、突起ができたりして、動きが制限されることがあります。
ばね指・ドケルバン
ばね指は指の付け根に、ドケルバン腱鞘炎は手関節背側に痛みや腫れ、熱感が生じる病気です。悪化すると、指が動かなくなることがあります。この疾患の特徴は、朝方に症状が出て、日中には軽減されることです。長時間指を使うことで腱や腱鞘に炎症が起きやすくなり、特にスポーツや仕事で手や指を頻繁に使う人、また更年期や妊娠中の女性、糖尿病やリウマチの人に多く見られます。
交通事故
事故後に痛みやしびれがある場合は、速やかに受診をご検討ください。その他、医療機関で治療を受けても痛みが改善しない場合は、気兼ねなくご相談ください。
以下のような場合はご相談ください
- 交通事故に遭った
- 初めての交通事故で対応がわからない
- 事故後に首が痛む
- 事故後に時間が経過してから痛みや違和感が現れた
- 交通事故治療で医療機関に通院しても改善しない
装具
患者様がより健康で快適な毎日を送るために、当院では手、腰、足、膝の痛みや変形といったトラブルに対応する専用の装具を作成・装着しています。これにより、痛みの軽減、変形の矯正、患部の固定、そして負担の軽減を図ります。提供する装具には、コルセット、サポーター、足底板(インソール)などが含まれます。